2018-06-06 【詩】 反射して 詩 反射して 厳しくて頑固だった祖父が、 生前、 それはたっぷりの愛情を注いで、 60センチメートルの水槽で まばゆい光りを放つ綺麗な熱帯魚を 可愛がっていたのを ふと思い出しました。 夜空に瞬く星のように 煌めき泳ぐ宝石たちを、 水槽の前で何時間ものあいだ 夢中になって目で追いかけていた まだ幼い私を、 いつも後ろで見ていてくれました。 今日、 街で目に入った ネオンテトラやグッピーが その美しい色合いを誇示する水槽の、 硝子に反射して、 祖父のその優しい笑顔を、 初めて私は 直接見ることができたような 気がしました。