いつの日だっただろうか。
暗い夜道を独り歩いていると、国道沿いのコンビニの明るいライトに照らされて、彼は僕の足元から長く伸びて現れた。
そして、ふと僕にこう言った。
「君は自分自身に不満がある。毎日を心の底から楽しめてはいない。嫌なことばかりに目を向けている」
僕のことは全てお見通しだった。そしてこう続けた。
「世界が変わるのを待つんじゃない。自分を変えるんだ」
そう告げると、交差点の四方からの眩いライトを浴びて、僕の足元から伸びた彼は薄くなり、次第に消えていった。
今は知っている。それが僕自身の影だったことを。